ペンギン・アップデートの次回更新は大規模な変動を起こす、というマット・カッツ発言の真意

[対象: 中〜上級]

ペンギン

米サンフランシスコで開催中のSES San Fransisco 2012でGoogleのMatt Cutts(マット・カッツ)氏がキーノートスピーチに登場しそのなかでペンギン・アップデートの次回の更新について語ったそうです。

それによると、「次回の更新は大きな変動を発生させるだろう」、「エンジニアたちが一生懸命取り組んでいて、更新がないほうがよかったと思うだろう」とのことでした。
※ちなみに”julting”というワードが使われていますが”jolting”のミススペリングです。

ある種、事前の警告にも聞こえるかのようなニュアンスです。

この件に関して、Matt Cutts氏はどういう意図で発言したのかをSearch Engine Round Tableの記事のコメントで説明しています。

I wasn’t saying that people needed to overly stress out about the next Penguin update, but I’m happy to give more details. I was giving context on the fact that lots of people were asking me when the next Penguin update would happen, as if they expected Penguin updates to happen on a monthly basis and as if Penguin would only involve data refreshes.

If you remember, in the early days of Panda, it took several months for us to iterate on the algorithm, and the Panda impact tended to be somewhat larger (e.g. the April 2011 update incorporated new signals like sites that users block). Later on, the Panda updates had less impact over time as we stabilized the signals/algorithm and Panda moved closer to near-monthly updates.
Likewise, we’re still in the early stages of Penguin where the engineers are incorporating new signals and iterating to improve the algorithm. Because of that, expect that the next few Penguin updates will take longer, incorporate additional signals, and as a result will have more noticeable impact. It’s not the case that people should just expect data refreshes for Penguin quite yet.

ペンギン・アップデートについて人々が過度にストレスを感じる必要があると僕は言ってはいない。だけど喜んでもう少し詳しく説明しよう。もしあるとしたら次のペンギン・アップデートがいつになるのかをたくさんの人が尋ねてきた状況のなかで答えたんだ。まるで、ペンギン・アップデートの更新が月単位で起こって、データの最新状態への入れ替えだけのようにみんなが期待しているかのようだった。

覚えているかもしれないが、初期のパンダではアルゴリズムを繰り返すのに数ヶ月かかっていて、パンダの影響はいくぶん大き目だった(たとえば、2011年4月の更新ではユーザーのサイトのブロックのような新しい指標を組み込んだ)。その後、時間をかけて指標とアルゴリズムが安定してくるにつれてパンダの更新が与える影響はだんだん小さくなって行き、ほぼ月一ペースに近づいてきた。

同じようにペンギン・アップデートも初期の段階で、エンジニアたちは、アルゴリズムを改善するために新しいシグナルを組み込んで繰り返し適用している。そういうわけで、次の新しいペンギン・アップデートは時間がかかり追加の指標を組み込むから、結果として、目立つインパクトがあると想定したほうがいいんだ。ペンギンに対してデータの更新だけで終わるだろうと期待するにはまだまだ早すぎる。

パンダ・アップデートは今でこそだいたい月に1回の更新で、その内容はアルゴリズム自体の改良というよりはデータの最新状態へのリフレッシュにとどまっています。
ほぼ理想どおりにアルゴリズムが動くようになってきたからですかね。
しかし当初は更新のたびに話題になるほど比較的大きな変動を発生させていました。
※パンダ・アップデートは一般的なアルゴリズムとは異なりオフラインで処理されます。変更・更新がすぐさま検索結果用の本番インデックスに反映されるわけでなく、それとは切り離されたところで処理されます。承認が降りてから本番のインデックスに統合されます。ペンギンも同様の処理です。

ペンギン・アップデートも同じように初期の段階ではアルゴリズム自体に改良が加えられるから顕著な順位変動が発生するだろうというのがマット・カッツ氏の発言の真意です。

「おまいら覚悟しておけ!」ということではなさそうですね(マットが脅すような態度をとるのはこれまにもなかったはずです)。

自作自演リンク、有料リンクに手を出していない人はこれまでどおり何も心配する必要はないでしょう。
多少なりとも手を出してきて大丈夫かどうか心配な人は一刻も早く過去の過ちを清算しておくことをおすすめします。
何が来ようとも勇猛果敢に挑み続ける人は腕試しですね。